インプラント治療の
サージカルガイドとは?
サージカルガイドは、インプラントを正確な位置に埋め込むために使用する専用の装置で、マウスピースのような形をしています。
インプラントを埋入する位置や角度、深さが事前に設計されており、手術時にはその情報をもとに処置を行います。この仕組みによって、顎の骨に対して理想的な位置にインプラントを埋め込むことが可能になり、手術の精度や安全性を高めることができます。
「サージカルガイド」を
使用する理由
サージカルガイドはCTやシミュレーションソフトで解析したデータをもとに作製されます。そのため、神経や血管を避けて安全にインプラントを埋入でき、必要以上に骨や歯肉を削ることもありません。結果として術後の腫れや痛みを抑える効果が期待でき、治療後の見た目や噛み合わせの仕上がりも安定しやすくなります。
また、事前に設計通りの位置に埋入できるため手術時間の短縮につながり、患者様の身体的な負担も軽減されます。
サージカルガイドを用いることで、歯科医師の経験だけに頼るのではなく、科学的根拠に基づいた精密な治療を実現できます。
サージカルガイドのメリット
手術時間を短縮できる
サージカルガイドは事前にCT解析やシミュレーションを行い、インプラントを埋め込む位置や角度、深さを決定した上で作製されます。
そのため、手術中に迷うことがなく、余計な切開や調整を行う必要も減ります。結果として処置がスムーズになり、従来1〜2時間かかることもあった手術が、1本あたり15分程度で終わるケースもあります。
患者様にとっても短時間で済むことは大きな安心につながります。
術後の痛みを和らげられる
サージカルガイドを用いたインプラント手術では、必要最小限の切開で済むため、傷口が小さく抑えられます。
これにより術後の腫れや痛みが軽減され、回復も早まりやすくなります。さらに、ドリルの深さを事前に把握できるため、神経や血管を傷つけるリスクも低下し、術後の不安を和らげます。
感染症のリスクを抑えられる
傷口が小さいことは、感染症の予防にも直結します。切開部分が大きいほど細菌が侵入する可能性は高まりますが、サージカルガイドを使えば必要最小限の範囲にとどめられるため、術後の細菌感染リスクを大幅に減らすことができます。
手術の精度を高め、失敗を防げる
サージカルガイドを使う最大のメリットは、インプラントの埋入を限りなく理想的な位置に行える点です。三次元的に設計されたガイドに従うことで、角度や深さのズレを防ぎ、インプラントが本来あるべき位置に正確に固定されます。これにより長期的に安定した結果が得られ、患者様も安心して治療を受けることができます。
サージカルガイドの
デメリット
活用できる歯科医院が限られる
サージカルガイドを使用したインプラント治療は高い精度と安全性を実現できますが、いくつかのデメリットも存在します。
まず、導入には歯科用CTやデジタルシミュレーションソフトなどの専用機器が必要であり、それらを正しく扱える知識や経験を持つ歯科医師が不可欠です。
そのため、すべての歯科医院で受けられる治療ではないのが現状です。

